春 の 修 羅



春の修羅 ――― 短歌による『春抱き』という試み






ことばにはならない想いがあることを あなたを愛して始めて知った





とめどない愛のさかまく渦のはてに あなたがいればそれだけでいい





ゆるされて愛されてなお欲しくなる 業のふかさに身をふるわせる





たなごころ かさねてふわり息をつく あなたの肌のあえかなぬくもり





好きだよとあなたにそっとくりかえす 鼓動を抱いて指をからめて





ほかにどう言えばいいのかわからない あなたを守るとちかう以外に





傷ついて なお冴え冴えとうつくしい あなたのためなら修羅にもなろう





泣かないで 硝子の心をだきよせる いつでもそばに俺がいるから





愛してる せかいでいちばん愛してる 生あるかぎりすべてをかけて





やわらかなくちびるがふとほころんで俺を呼ぶ そう そんなしあわせ







ましゅまろんどん
March 2006



さて・・・(笑)。
言わずと知れた、俵万智インスパイア?短歌十首です。
気張らずに、自然にするすると、香藤くんの言葉が素直に五七五に納まってくれた、という感じでした。
いつか、岩城さんの返歌も書けるといいなあ。
※当初は縦書きでしたが、ブラウザによって見え方に違いがあるため横書きに組み直しました。

2013年2月18日、サイト引越にともない再掲載。初稿を若干修正しています。